#12【解説記事】レオパードゲッコーの餌の基本〜餌の選び方とやり方を知ろう!〜

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こんにちは、ラボ担当レオバイトのRです。今回のラボは「レオパードゲッコーのエサ」についてです。

1.レオパードゲッコーの餌の基本

1-1. レオパードゲッコーの餌の種類

レオパは肉食性で主に昆虫を食べています。野生では昆虫やクモなどの節足動物を捕食しているとされています。飼育下ではコオロギを与えることが多いでしょう。他にも様々なエサがありそれぞれ特徴や給餌の方法がありますので詳しくお話して行きたいと思います。

 

〇コオロギ:

昆虫系の代表的なエサになります。最も入手が容易で栄養素的にも優れているため、重宝されていることが多いです。しかし、コオロギと一括りにしても実は複数種類があり、フタホシコオロギ・クロコオロギ・イエコオロギと分かれています。フタホシコオロギとクロコオロギはあまり跳ねることはなく動きも比較的緩慢で扱いやすいです。しかし、顎が強靭で生体を噛んでしまうこともあり、控えめな性格の個体は怖がってしまいます。一方でイエコオロギは動きが俊敏でよく跳ねるため、捕食に苦労する個体も出てくることがあります。そういった場合は後脚を取り除いたり、頭を潰すなどをしてレオパが食べやすいようにしてあげましょう。

〇デュビア:

爬虫類のエサとしてはこれも代表的なエサです。爬虫類ショップや爬虫類を取り扱っているペットショップやホームセンターで見かけることがあると思います。栄養面は優れており、あまり動かないのでレオパも捕食しやすいです。しかし、床材の下に隠れてしまうこともあり、できればピンセットで与えたい種類になります。また、成虫は大きすぎてレオパがエサと認識しないこともあるので注意が必要です。管理も活き餌の中では簡単な方で繫殖もしやすいですが、成長ペースがゆっくりです。最後の課題としてデュビアの正式名称がアルゼンチンモリゴキブリとそれだけで苦手な人は敬遠してしまうかもしれませんね。筆者個人としてはよくみるGより動きが緩慢で、個で見ればかわいいと思います。群で見るとたまに引きますが……

〇ミルワーム:

ミルワームは海外では一番メジャーなエサとして使用されています。しかし、栄養素としては偏りが大きく、脂肪分が多くなっています。さらに消化に必要なエネルギーも高くなっています。また、床材の下にすぐに潜ってしまうのでピンセットで給餌を行なうか、ミルワームが登って来れない小皿に入れるとよいでしょう。保管がかなり簡単で匂いもほとんどせず繫殖させることは比較的簡単です。

〇ハニーワーム:

主食として使用することはなく、嗜好品として活用することが多いエサになります。拒食した個体に与えられることも多いですが消化しにくく、そのまま排出されることもあります。そのため与える際には量を少なくし食べ始めにだけ与える方法がよいでしょう。常温で管理していると成虫になってしまうので10度前後の空間で管理し、成虫になるのを遅らせることができます。

〇レッドローチ:

レオパのエサとして栄養価が優れており、管理がしやすく繫殖や成長ペースも早いとエサとしてかなり優秀です。しかし、外見や匂いを苦手とする方が多く逃がした日には大騒動になること必須です。特にオスには翅があるため滑空することがあるのでエサとして使用する場合は逃がさないように気をつけてください。

以上が昆虫系のエサとしてよくみる種類になります。これらのエサを使用する場合には、必ずカルシウムをダスティング(Dusting)をしてください。カルシウムが不足していると骨の奇形に繋がることもあり、特に成長期には生体の大きさを左右するとこもあります。また産卵期のメスにも卵を生成するのにとても重要なものになります。

また、ガットローディング(Gut loading)といってエサの栄養価を高めるためにコオロギやワーム等に生野菜を与えたり、コオロギ専用フードを与えたりしてあげることも大事になってきます。

〇冷凍エサ:

上記の昆虫系のエサ、特にコオロギを冷凍した物もあります。冷凍エサは必ず常温に解凍しましょう。冷たいままですと生体の内臓に負担がかかってしまい消化不良や吐き戻しといった症状が出てしまうことがあります。冷凍されているので長期間保存できそうですが、少しずつ脂肪分が酸化してどうしても劣化してしまいます。購入後は1ヶ月~3ヶ月ほどで使い切るようにしましょう。

〇人工餌:

最近は様々な種類の人工餌がありチューブに入っている物や乾燥ペレットタイプなど多岐にわたります。総合栄養食として、昆虫の栄養素以外に追加で栄養素が入っているので食べすぎると肥満になりやすいので注意しましょう。

レオバイトは練餌タイプで水に混ぜると固形になり、コオロギ以外の添加物はないので栄養素や匂いはそのままのコオロギで食いつきもよいです。代わりに不足している栄養素については別途添加する必要もあります。

 

1-2. 年齢別の餌の量と頻度

成長ステージによってエサの量は変わってきます。それぞれの成長ステージに合わせたエサの量や回数を与える必要があります。ステージ別に確認していきましょう。

〇ベビー期:

生後3ヶ月~4ヶ月程度で大きさの目安は15㎝前後になります。ベビー期はたくさん栄養が必要で食べれば食べた分が成長していきます。そのためエサは基本的には毎日から1日おきに食べる分だけ与えるようにしましょう。ベビー期はまだまだ口も小さいので、コオロギも小さいサイズを使用したりコオロギの頭や後脚を取るなどします。大きいサイズの場合、消化不良や吐き戻しになることもあります。ベビーはあまり体力もないのでもし吐き戻ししてしまった場合は焦らずに問題を解決して、23日空けてから給餌を再開しましょう。

〇ヤング期:

4ヶ月~12ヶ月までの期間の個体で大きさは18cm前後になります。4ヶ月〜8ヶ月ぐらいまではまだまだ成長期で給餌の頻度は高めです。23日の間隔で食べる分だけ与えてもよいでしょう。812ヶ月になると体がしっかりとしてきて、尻尾もふっくらとしてきます。給餌頻度も34日にし、コオロギもMLサイズを4匹程度与えるようにしましょう。

〇アダルト期:

12ヶ月以上の個体で大きさは18㎝以上になります。アダルトになるとしっかりとした体つきになり給餌頻度は減って1回で食べるエサの量は増えてきます。あまり食べさせすぎると肥満になり疾病の確率が上がってしまいます。エサの量や給餌頻度を個体ごとに留意して健康的な体系を維持できるようにしてあげましょう。

 

 

2.レオパードゲッコーの餌の選び方

2-1. 生き餌と人工餌の比較

活き餌は嗜好性が高く食いつきがいいです。また、ガットローディングができるので栄養の補填ができるのも利点の1つです。ただ活き餌は管理が難しく、臭いや鳴き声が気になる方もたくさんいらっしゃると思います。人工餌はたくさんの種類があり、各種にメリットデメリットがあるので簡単に表にまとめました。基本的には保管が楽ですが、個体によってはあまり食べてくれないことがあったり、ずっと人工餌を食べていた個体が急に食べてくれなかったりすることがあります。同じエサをずっと与えるのではなく、たまに違う種類のエサも与えるなどして飽きないようにしてあげましょう。

 

2-2. 餌の栄養バランス

爬虫類の健康を保つためには、栄養バランスの取れた餌が重要です。

野生の爬虫類は、その種類によってさまざまな餌を食べていますが、一般的には昆虫や果実や葉などの植物を食料としています。

以下はクレステッドゲッコーのための与える餌の指針となるフードピラミッドです。(出典:Crested Gecko Food Pyramid

クレスだけでなく、レオパにとっても昆虫や植物に加えて、ビタミンやカルシウムなどの栄養素を別途バランス良く与えることが大切です

以下にレオパの健康を保つために重要な栄養素をまとめます。これらの栄養素をバランス良く与えるようにしましょう。

〇タンパク質:

レオパの成長、筋肉の維持、免疫機能にとって重要です。野生の爬虫類は昆虫や小動物、植物由来のタンパク質を食べています。

〇脂肪:

レオパのエネルギー源として重要です。特にレオパなどの小型の爬虫類はミールワームなどの高脂肪の餌を好むことがあります。

〇ビタミンA:

視力や免疫機能をサポートし、皮膚や粘膜の健康を維持するために大切な栄養素です。ビタミンAの長期的な不足は低ビタミン症となり、レオパの皮膚と目に影響が出てしまうので注意が必要です。Donoghue, 1998

〇ビタミンD3:

カルシウムの吸収を助け、骨の健康を維持するために重要です。紫外線照射を通じて自然に生成することもできます。

〇ビタミンE:

細胞膜の保護にとって重要です。

 〇カルシウム:

レオパの骨の健康に不可欠です。カルシウムの長期不足は、代謝性骨疾患(MBD)

や栄養性二次性上皮小体機能亢進症(NSHP)を引き起こす可能性があるので注意が必要です。Donoghue & Mckeown, 1999

〇リン:

爬虫類のエネルギー代謝に関与します。過剰摂取はカルシウム吸収を阻害するので注意が必要です。

 

またこれらのカルシウムとリンのバランスが重要で、一般的には2:1の比率が推奨されています。

カルシウムやビタミンは適切な餌やサプリメントを通じて与えるようにしましょう。

3.レオパードゲッコーへの餌やりの実践

3-1. 餌やりの手順

給餌の方法は大きく分けて3つの方法が挙げられます。

〇ピンセット:

どのエサの種類でも給餌の方法として使われています。レオパは動いている物を認識しますので活き餌以外の場合は、口元に持っていって認識しやすいようにしてあげるといいでしょう。レオパが捕食するときに勢い余ってピンセットの先を噛んだりぶつかったりすることがあり口内や顔をケガしてしまうことがあるので注意が必要です。ピンセットでつかむ際はエサの真ん中ではなく端をつかんで反対側をレオパの目の前に持ってきてあげましょう。

〇撒き餌:

主に活き餌で使われる方法になります。コオロギやミルワームをケージ内に放すのでレオパ自身はエサを発見し捕食することになります。しかし、コオロギやミルワームはシェルターなどの設置してある飼育用品の隙間に隠れたり、床材に潜ってしまい姿を見せないことがあります。食べ残した活き餌がずっとケージ内にいるとエサ食いが悪くなったり、生体が齧られてストレスになることもあります。なので食べ残した活き餌は必ず取り除きましょう。

〇置き餌:

人工餌や冷凍餌をケージ内に置く方法で慣れた個体だとお皿に置いただけで食べてくれるようになります。冷凍コオロギや水分量の多い人工餌は腐ったり、乾燥して食べられなかったりと長時間置いておくことはできません。夜に置き餌をした場合に食べ残しがある場合は必ず翌朝には除去しましょう。

 

3-2. レオパードゲッコーが餌を食べない時の対処法

エサを食べない時はまず飼育環境が生体に合っているか見直す必要があります。温度や湿度に課題があることが多く、温度計湿度計を使って正確な温度湿度を計測して確認することが大事です。特にベビー期ヤング期は温度湿度共に重要な要因なので留意しましょう。季節の変わり目、秋冬は急激に温度が低くなっていることがあるので十分に注意が必要です。

温度や湿度に問題がない場合は、エサの種類や頻度を変更してみるのも方法の一つです。レオバイトは様々な柔らかさにできるため、流動食みたいに柔らかくし、なめられるように口周りに付けてあげることも可能です。

 

 

4.レオパードゲッコー飼育に関連する必要アイテム

4-1. 飼育ケージの設備

〇飼育ケース(ケージ):

アダルトであれば30×30ぐらいのケージが好ましいです。蓋はしっかりと閉められ固定ができるものにしましょう。レオパは意外に力が強く脱走することもあります。

〇床材:

ケージの底に敷くことでレオパが活動しやすい環境を作るために必要です。様々な種類があり、メンテナンスのしやすさや安全性などそれぞれ特徴があります。

どの床材を使えばいいのか飼育者のスタイルによっても変わってきます。詳しくまとめた記事があるので気になる方はチェックしてください。https://www.leobait.jp/blogs/labo/6_yukazai

〇シェルター:

シェルターは安心できる空間を作るために必要になります。ケージは全面透明なものが多く、どこにも身を隠せないとなるとレオパのストレスになってしまいます。お洒落なシェルターも多く、床材に合わせてみるのもいいです。ただし、レオパがしっかりと入れる大きさのシェルターを選んであげましょう。

 

4-2. 温度・湿度管理

〇ヒーター:

ヒーターはケージの3分の1ぐらい程度に敷きます。全面に敷いてしまうと、暑くなり過ぎたときにレオパの逃げ場所がなくなってしまうからです。ケージの内の温度に勾配をつけて、高いところは30℃32℃、低いところで26℃28℃ぐらいになるように調整します。その際に温度計があると便利です。

 

4-3. その他の飼育用品

〇水入れ(霧吹き):

レオパは比較的水切れに強く耐えることができるかもしれませんが、生物には水は必須の物になります。水入れを設置する場合は毎日清潔な物に入れ替えます。水入れをいれていない場合は1日に2回(朝夕)に霧吹きをすることをおすすめします。この時に留意する点として、生体に水がかからないようにすることと、霧吹きしすぎないことが挙げられます。

水分補給の重要性についてはこちらの記事をご覧ください。

https://www.leobait.jp/blogs/labo/8_mizuyari

〇ピンセット(エサ皿):

ピンセットは給餌や清掃等で使用します。ピンセットには竹でできた木製の物と金属製の物があり、用途によって数本あってもよいでしょう。

 

5.よくある質問

質問1:活き餌から人工餌にしたいけどどうしたらいいの?

回答1:急に切り替えることは難しいことがあり、徐々に慣らしていくとよいでしょう。方法としては、コオロギの体液を人工餌に塗ったり、コオロギと人工餌を交互に口の近くに持っていったりすることで食べる習慣をつけさせます。またレオバイトをコオロギにまぶして匂いや味を知って貰う方法もあります。

 

質問2:公園とかで捕まえた虫はあげてもいいの?

回答2結論からいうとおすすめしません。昆虫なので食べないことはないでしょう。しかし、野生の昆虫は寄生虫が宿っていたり、農薬などが付着している可能性があり100%安全性が確保されていません。

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